こんにちは。
今回は、今年から海外ＦＸ取引所でＦＸを始められた方、これから始めようと思っている方へ、海外ＦＸで利益が出た時の確定申告の方法について説明していきたいと思いますので、来年以降の参考にしてもらえたらと思います。
昨今、副業が一般的になってきており、その手段の１つとしてＦＸを検討される方も多いと思います。
そして国内ＦＸだと最大レバレッジが２５倍（個人口座）に制限されているためなかなか利益率が高くなく、もっと稼ぎたいと考えて海外ＦＸを検討されている方も多いのではないでしょうか？
私もその一人です。
昨年、国内ＦＸ取引所でＦＸを始めましたが（コロナショック後にも関わらず）思うように利益が出ず、今年に入ってから海外ＦＸ取引所で自動売買ツールの運用を始めました。
そこそこ利益は出ていて来年の確定申告で申告が必要となりそうなので申告方法について調べてみました。
Contents
確定申告について
普通のサラリーマンだと自分で申告することは少ないかもしれません。
確定申告とは？
簡単には、１年間の収入に対してきちんと計算された所得税を納税するために申告すること、が確定申告になります。
海外ＦＸで確定申告が必要となる条件
申告が必要になる条件は、給与所得者と非給与所得者で異なります。
| 給与所得者 | 海外ＦＸでの年間利益が２０万円を超えた場合 |
|---|---|
| 非給与所得者 | 海外ＦＸでの年間利益が３８万円を超えた場合 |
※非給与所得者は会社に雇用されていない専業主婦や専業トレーダーなどでパート・アルバイトは給与所得者に該当
課税対象のタイミング
確定申告で課税対象となるのはポジションを決済したタイミングです。
| 課税対象 | ポジションを決済して損益が確定したもの |
|---|---|
| 課税対象外 | ポジションが保留中で持ち越されており損益が確定していないもの |
国内FXとの違い
海外FXと国内FXでは税制が異なります。
| 海外ＦＸ | 国内外ＦＸ | |
|---|---|---|
| 税区分 | 総合課税 | 申告分離課税 |
| 税率 | 累進課税 （所得が上がるほど、税率も上がる） |
一律２０％ （ただし２０３７年まで復興特別所得税で０．３１５％追加課税） |
| 損益の相殺 | 「雑所得、総合課税方式」に分類 （例：複数の海外ＦＸ事業者間の損益、仮想通貨の損益、アフィリエイト収入） |
「先物取引に係る雑所得等」に分類 （例：複数の国内ＦＸ事業者間の損益、先物・オプションによる損益） |
| 損失繰越 | 不可 | ３年分の損失繰越が可能 |
総合課税に分類される所得区分
雑所得（海外ＦＸ、仮想通貨、アフィリエイトなど）
不動産所得
給与所得（勤務先から受け取る給料）
事業所得
国内ＦＸは給与所得とは異なる税区分になるので別々の申告となるのですが、海外ＦＸは給与所得との合算になります。
累進課税での所得税率
１９５万円以下 ５％
１９５万円を超え３３０万円以下 １０％
３３０万円を超え６９５万円以下 ２０％
６９５万円を超え９００万円以下 ２３％
９００万円を超え１８００万円以下 ３３％
１８００万円を超え４０００万円以下 ４０％
４０００万円を超える ４５％
この他に住民税の１０％が税金としてかかります。
国内、海外ＦＸ間の利益、損失を合算することはできません
給与所得者が海外ＦＸで出た利益の申告例
では、最後に申告例について説明していきます。
モデルケース
| 給与所得（源泉徴収前） | 海外FXの利益 | |
|---|---|---|
| 金額 | ５５０万 | １６０万 |
簡単な計算式は以下のようになります。
申告税額＝（給与所得－源泉徴収額＋海外ＦＸ利益－海外ＦＸ運用にかかる経費）✕ 累進課税税率
給与所得者は会社から源泉徴収されていますので自動的に所得税は引かれています。
ただし、これは給与所得での税率となっているため５５０万円の税率２０％が適用されています。
海外ＦＸ利益は総合課税対象で給与所得と合算する必要があるため、一旦、給与所得から源泉徴収額を引いて、海外ＦＸ利益を足します。
海外ＦＸ運用においては経費を控除することができます。
例えば、経費が１５万円だったとして計算すると、
５５０万円＋１６０万円－１５万円 ＝ ６９５万円
税率が２０％から２３％へ変わります。
給与所得に対しても＋３％の課税がかかります。
あと、経費にできるものは以下のようなものがあります。
運用のために購入したパソコンやスマホの代金
パソコン、スマホの通信費
MT4/MT5などで自動売買ツールEA（エキスパートアドバイザー）の購入費、VPS（バーチャルプライベートサーバー）の使用料
勉強会やセミナー参加費、交通費
家賃、電気代
ただし、これらのうち海外FX運用に使用した割合で計上する必要があり、給与所得者の副業の場合は１５％前後が一般的です。
また自動売買ツールEAやVPSは海外FX運用でのみの使用となるため１００％経費として計上できます。
注意事項として、経費として計上する場合は、その領収書、レシートが必要となり、７年間保管する義務が生じます。
自己申告なので何でもかんでも、というわけにはいきませんね。
以上、累進課税税率が変わる場合を例に説明をしましたが、税率が変わらない所得の範囲であれば海外FX利益のみの計算で大丈夫です。
いかがでしたか？
やってみればそんなに難しくはないということと、経費申告できるものも多いので案外節約になる部分もあるかもしれません。
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